クロロカーボン衛生協会について クロロカーボンとは? 統計データ 品質規格 関係法令 リーフレット 最近のニュース クロロカーボン衛生協会トップページに戻る


 

クロロカーボンとは?

クロロカーボンの
一般的性状


主要なクロロカーボン3種の物性および安全性データ

 

 クロロカーボン類のうち、現在最も多く使用されている3種の塩素系溶剤(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、塩化メチレン)について、物性、作業環境許容濃度、安全性、発ガン性リスク評価分類等を示します。

主要塩素系溶剤の物性、許容濃度、安全性、発がんリスクの評価分類等

 
項     目 トリクロロエチレン テトラクロロエチレン 塩化メチレン
(ジクロロメタン)
官報告示整理番号(化審法) (2)-105 (2)-114 (2)-36
  CAS番号 79-01-6  127-18-4  75-09-2
国連番号 1710 1897 1593
  化学式 CHCl=CCl2 CCl2=CCl2 CH2Cl2
  分子量 131.39 165.85 84.94
  沸点[101.3kPa(760mmHg)]       (℃) 87.2 121.2 40.2
  融点                    (℃) -86.4(凝固点) -22.35(凝固点) -94.9(凝固点)
  比重 液体(20/4℃) 1.465 1.623 1.327
  蒸気       (空気=1) 4.54 5.83 2.93
  蒸気密度[沸点,101.3kPa(1atm)] [g/リットル] 4.45 5.13 3.30
  蒸気圧(20℃)          [kPa(mmHg)] 7.7(58) 2.1(16) 46.50(349)
粘度(20℃)           [mPa ・s(cP)] 0.566(0.566) 0.880(0.880) 0.425(0.425)
  表面張力(20℃)          [mN/m(dyn/cm)] 29.5(29.5) 32.32(32.32) 27.89(27.89)
  比熱(20℃)     [kJ/(kg ・℃)(cal/g ・℃)] 0.933(0.223) 0.858(0.205) 1.16(0.276)
  蒸発熱(沸点)         [kJ/kg(cal/g)] 239(57.2) 209(50.0) 329(78.7)
  ヘンリー定数(10℃) 0.2315 0.3641 0.0603
  溶解度 水に対する溶解度(25℃) (%)     0.137 0.015 1.98
  溶剤に対する水の溶解度(25℃)(%) 0.032 0.0105 0.170
  溶剤と水との共沸 共沸点         (℃) 73.6 87.7 38.1
  組成         (溶剤%) 94.6 84.2 98.5
発火点                   (℃) 425(空気中)396(酸素中) な し 662
  引火点(タグ密閉式)            (℃) な し    
  爆発範囲 空気中        (vo1%) 9.3〜44.8(80±3℃) - 14〜22
 
  酸素中        (vo1%) 8.0(80±3℃)〜 10.8(80±3℃)〜 15.5〜66.9
  79.0(90±3℃) 54.5(110±3℃)
  カウリブタノール値(KB値) 130 90 136
  換算係数(20℃) mg/m3→ppm(ml/m3) 1mg/m3=0.18ppm 1mg/m3=0.14ppm 1mg/m3=0.28ppm
  ppm(ml/m3)→mg/m3 1ppm=5.46mg/m3 1ppm=6.90mg/m3 1ppm=3.53mg/m3
  管理濃度(労働省)             (ppm) 50 50 100
  日本産業衛生学会 許容濃度 (ppm) 25(1997) 検討中(1997)  50;最大許容100(1999)
  (2000) (mg/m3) 135 (皮膚) 170;最大許容340(皮膚)
  ACGIH TLV(1999) TWA(8時間) (ppm) 50(1993) 25(1993) 50(1996)
(mg/m3) 269 170 174
  STEL(15分) (ppm) 100(1993) 100(1993) -
(mg/m3) 537 685 -
  OSHA PEL(1993) TWA (ppm) 100 100 25
(mg/m3) - - -
  (許容暴露限度) STEL (ppm) 天井値200;300(5分間 天井値200;300(5分間 125
(mg/m3)  ピーク/2時間)  ピーク/3時間) 発がん性物質
  NIOSH REL(1994) TWA (ppm) 25(10時間TWA) - -
(mg/m3)   - -
  (勧告暴露限度) STEL (ppm) 天井値2(麻酔ガスとし 発がん性物質; 発がん性物質;
(mg/m3) て用いたとき60分間) 最低実行可能濃度 最低実行可能濃度
  発がん性物質 (検出限度 0.4ppm)  
  DFG MAK(1999) TWA (ppm) - - 100
  (mg/m3) - - 350
  (最高許容濃度) ピーク(カテゴリー)# - - U, 2
安全性 急性毒性 LC50(半数致死濃度)(吸入) マウス  8,450ppm(4hr) ラット 34,200mg/m3(8h) マウス 14,400ppm(7h)
  マウス 5,200ppm(4h)  
LD50(半数致死量)(経口) ラット  5,560mg/kg ラット   2,629mg/kg ラット   1,600mg/kg
マウス 2,402mg/kg マウス 8,100mg/kg  
LC50(48時間半数致死濃度) 59mg/リットル 32mg/リットル 331mg/リットル
        (ヒメダカ)
生分解性[生物化学的酸素要求量(BOD)]    (%) 2.4 11 5〜26
濃縮性(コイ)              (倍) 17以下 77.1以下 40以下
発がん性りスク 日本産業衛生学会(2001) 第2群B 第2群B 第2群B
IARC(国際がん研究機関)(2001)      
 化学物質 グループ  2A グループ 2A グループ 2B
 ドライクリーニングにおける職業暴露 - グループ  2B -
EPA(米国 環境保護庁)(2002) - - グループ B2
NTP(米国 国家毒性プログラム)(2001)
ACGIH(米国産業衛生専門家会議)(2001) A5(1993) A3(1993) A3(1996)
EU(欧州連合)(2001) カテゴリー 2 カテゴリー 3 カテゴリー 3
DFG(ドイツ研究審議会)(2001) - 3B 3A
大気挙動 大気中の寿命              (年) 0.018 0.36 0.41
オゾン破壊係数(ODP)(CFC-11=1) 0.005 0.005 0.007
地球温暖化係数(HGWP)(C02=1) 5 12 9
光化学オキシダント生成係数(OCP)(エチレン=100) 7.5 3.5 3.5

 

用語説明および注記
 

(1)物性:(社)日本化学会編、化学防災指針集成、丸善(1996);
      クロロカーボン衛生協会、クロロカーボン適正使用ハンドブック(2000)等による。

(2)職業暴露限度

 

許容濃度:
 
TLV-TWA :
 
 
 
 
TLV-STEL:
 
 
 
 
ACGIH  :
 
QSHA  :
NIOSH  :
 
DFG   :

労働者が有害物質に暴露される場合に、空気中の濃度がこの数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響がみられないと判断される濃度
時間荷重平均濃度[1日8時間、1週40時間の正規の労働時間中の時間荷重平均濃度(Threshold Limit Value-Time Weighted Average Concentration)]1労働日中の暴露がTLV-TWAを超えず、またごく短時間といえどもTLV-TWAの5倍を超えないという条件で、1労働中につき合計30分以内に限りTLV-TWAの5倍までの超過が許される。
短時間暴露限度[1日の平均暴露がTLV-TWAを超えないことを条件として、短時間継続的に暴露されても、1)耐えられない刺激、2)慢性的又は非可逆的な生体組織の損傷、3)麻酔作用による障害事故の発生の危険増加、自制心の喪失、又は著しい作業能率の低下の起こらない濃度の限界(Threshold Limit Value-Short Term Exposure Limit)]
米国産業衛生専門家会議(American Conference of Governmental Industrial Hygienists)
米国労働省 労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration)
米国健康福祉省  国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health)
ドイツ研究審議会(Deutsche Forschungsgemeinschaft)

#  MAK(最大許容作業濃度)ピーク暴露限度
 

カテゴリー

短時間暴露レベル

頻度/シフト

 

期 間

ピーク

 

U 全身影響を有する物質
  影響の発現 2時間以内のもの

 

 

 

 U、1:半減期が2時間以内の場合
 U、2:半減期が2時間〜シフト時間の場合

30分間平均値
30分間平均値

MAKの2倍
MAKの5倍

4回
2回

     (注)半減期:濃度が初期の値の1/2になる時間
 (皮膚):経皮的に侵入し、全身的影響を起こしうる物質

 

(3)

安全性[通商産業省基礎産業局化学品安全課監修、(財)化学品検査協会編集、化審法の既存化学物質安全性点検データ集、(社)日本化学物質安全・情報センター発行(1992)]

 

生分解性:
 
 
濃縮性 :
 
 
急性毒性:
 
 

活性汚泥を調整して、化学物質と混合し、一定条件で培養後、化学物質の生物化学的酸素要求量(BOD)を計算する。一般に60%以上であれば、易分解性といわれている。
コイを最大20尾入れた水槽に、一定量、一定温度で化学物質を溶かした液を最長2カ月連続供給し、化学物質の水中の濃度(2水準)に対する魚体中の濃度の倍率を調べる。ちなみに、PCBは最大22,000倍。
化学物質の濃度を数種変えた水槽に、10尾のヒメダカを入れ、48時間後の半数致死濃度(LC50)を算出する。海洋汚染防止法では、これを5段階に分類している。1未満:高度に有害;10未満:かなり有害;100未満:若干有害;1,000未満:ほとんど度無害;1,000以上:無害

(4)ヒトに対する発がん性リスクの評価の分類

 

日本産業衛生学会

 

 第1群   :
 第2群A  :
 
 第2群B  :

人間に対して発がん性のある物質
人間に対しておそらく発がん性のあると考えられる物質で、証拠がより十分な物質
人間に対しておそらく発がん性のあると考えられる物質で、証拠が比較的十分でない物質

 

IARC(国際ガン研究機関)

 

 グループ1 :
 グループ2A:
 
 グループ2B:
 
 グループ3 :
 
 グループ4 :
 

ヒトに対して発がん性である物質(carcinogenic to humans)
ヒトに対しておそらく発がん性である物質(probably carcinogenic to humans)
ヒトに対して発がん性がある可能性がある物質(possibly carcinogenic to humans)
ヒトに対する発がん性については分類できない物質(not classifiable as to itcarcinogenicity to humans)
ヒトに対しておそらく発がん性がない物質(not carcinogenic to humans)

 

EPA(米 環境庁)

 

 グループA :
 グループB1:

 グループB2:


 グループC :
 グループD :
 グループE :

ヒト発がん性物質
恐らくヒト発がん性物質で、疫学的研究から、限定されたヒトへの影響を示す物質
恐らくヒト発がん性物質で、動物での十分な証拠があり、かつ疫学的研究から、ヒトでの発がん性の不十分な証拠があるか、又は証拠がない物質
ヒト発がん性があるかもしれない物質
ヒト発がん性に関して分類できない物質
ヒトに対して発がん性がないという証拠がある物質

 

NTP(米 国家毒性プログラム)

 

 K     :
 R     :

ヒトに対して発がん性があることが知られている物質
合理的に発がん性があることが予想される物質

 

ACGIH(米国産業衛生専門家会議)

 

 A1    :
 A2    :
 A3    :
 A4    :
 A5    :

ヒトに対して発がん性が確認された物質
ヒトに対して発がん性が疑われる物質
動物発がん性物質
発がん性物質として分類できない物質
ヒトに対して発がん性として疑えない物質

 

EU(欧州連合)

 

 カテゴリー1:
 カテゴリー2:
 カテゴリー3:
 
 

ヒトに対して発がん性であることが知られている物質
ヒトに対して発がん性であるようにみなされるべき物質
発がん影響を及ぼす可能性があるためヒトに対して懸念を引き起こすが、利用可能な情報がそれについて満足なアセスメントを行うために適切でない物質

 

DFG(ドイツ研究審議会)

 

 カテゴリー1:
 
 カテゴリー2:
 カテゴリー3:
 
     3A:
 
     3B:
 
 カテゴリー4:
 
 カテゴリー5:
 
 

ヒトにがんを引き起こし、発がんリスクの有意な増大をもたらすと推測できる物質
ヒトに発がん性を持つと考えられる物質
ヒトに発がん性があると懸念されるが、データが不十分なために最終評価ができない物質
カテゴリー4または5への分類の基準を満たしているが、MAK値の確立のためのデータベースが不充分な物質。
in vitro試験または動物試験から得た発がん作用の証拠が、他のカテゴリーのいずれかに分類するには充分でない物質。
遺伝毒性がないかまたは遺伝性毒性がごく僅かな役割をはたすにすぎない発がん物質
発がん作用と遺伝子毒性作用を持つが、その効力が非常に小さいと考えられるため、MAK値とBAT値が遵守されるならばヒト発がんリスクの有意な増加をもたらさないと予想される物質

   (注)(社)日本化学物質安全・情報センター、発がん性物質の分類とその基準
      ――発がん性評価物質一覧表――(第5版)(2002)

(5)オキシダント生成係数(Oxydant Creation Potential; OCP)

 

下部大気圏において揮発性有機化合物は分解により対流圏オゾンおよびオキシダントを生成して光化学スモッグを促進する。OCPは、この影響の寄与の尺度(エチレン=100)である。
 

(6)*:NOAA/NASA/UNEP/WMO,Scientific Assessment of Ozone Depletion:1994(1995);

 

H.Siedebottom et al.,Pure & Appl.Chem.,68(9):1757〜1769(1996)
WMO,Scientific Assessment of Ozone Depletion:1998等による。

戻る

 


Copyright (C) 2004-2005 Japan Association for Hygiene of Chlorinated Solvents. All Rights Reserved